聞天短編小説劇場
●1980年(昭和55年)文芸同人誌『文海』第4号発表
高校をでて工作機械メーカーに機械工として勤め9年近く働いたが、なにか腹の底からの欠乏感があって、退職し、文章の勉強を始めた。これはそれから2年後くらいまでに書いたもののひとつである。大仏次郎の児童小説『父をたずねて』がヒントになっている。某紙の同人誌評欄では「よくわからない」といわれた。そりゃそうだ、本人にだってよくわからんものを、他人にわかってたまるかって。 |
●1988年(昭和60年)文芸同人誌『文海』第10号発表
東京に住んでいたころは中野、杉並、練馬、板橋とよくひとりで歩き回った。なにかをみるということと、山歩きのトレーニングも兼ねていた。しかし米国はユタ州からきている某宗教の青年たちにしょっちゅう話しかけられている。さぞかしぼおっとした顔で歩いていたのだろう。さむい時期に身体をこごめるようにしてうろついたあとに生まれたのがこの作品である。 |
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