▲主にウラグロニガイグチとムラサキフウセンタケ。左下にはウスヒラタケがあり、同定できないキノコも混じっていた。 |
■いま、標高1000mを越すハイランドの地は、初秋のキノコの大発生で幻想的な雰囲気だという。写真の籠に盛られたキノコたちも、採集前はもっと色が鮮やかで、知らないひとたちがみたら、より無気味にみえたことだろう。写真のムラサキフウセンタケやそのほかのキノコはまとめて煮てスープをとった。色が真っ黒になってしまい、見た目はよくなかったけれど、味はなかなかで、煮干しのダシと組み合わせて各種の料理に隠し味とした。 |
■これがウラグロニガイグチの刺し身。さっとゆでて薄く切り、氷の上にならべた。柄よりも傘のほうが舌触りがなめらかでうまい。これはシゲちゃんがわざわざ電話してきて教えてくれた食べ方である。ところで、「モッコリ」というのは、わたしが勝手にそう呼んでいるだけのことなのだが、ウラグロニガイグチの姿形からなんとなくそういう語感に導かれたのだ。だいたいウラグロニガイグチなんて名前にはキノコに対する愛情が感じられない。このうまさと姿とに楽しさを加味して「モッコリ」なる新名をささげたい。付け加えると、図鑑に載っているウラグロニガイグチはもっと柄が長く、ひょっとすると本種はよく似た種類の別の食用キノコかもしれない。 (2004.9.7) |