■9月22日土曜日、少林寺拳法の練習にいく娘を大月市まで車で送ってから家に戻ると、たくさんの天然キノコがわたしを待っていた。留守番のかみさんがいうには、シゲちゃん一家が今日、キノコ狩りにいってきたとかで、そのお裾分け、だと。
広げた新聞紙に5種類の天然キノコが並ぶ。これだけの天然キノコを採集するのは簡単ではない。かなりの努力がいる。運にも恵まれなければならない。特にクリフウセンタケは場所によっては高値で取り引きされているので、これだけのお裾分けは相当に貴重だといえる。マスタケもうまく坪に当たるとリュックいっぱいぐらい採れるけれど、ふだんはそうそううまく採集できるものではない。この日の収穫もこれだけだったらしいのだが、わたしたち家族のために置いていってくれたのだ。 |
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■さて、足の早い天然キノコのことである。手早く下ごしらえしなければならない。ひとつひとつ手に取って観察してみる。どれも発生したてで、新鮮なことこのうえない。こういうキノコは虫が少なく、神経質に虫出しする必要がないものである。塩水に浸すと、たしかに細かい虫は追い出せるが、キノコの持ち味である香りが飛んでしまう。
これはわたしのやり方だが、先細の小振りな洋包丁を使ってゴミをたんねんに、かつスピーディに取り除いていく。ほとんど水は使わない。このやり方は天然キノコの下ごしらえとしては、じつはいちばん早いのではないかと思う。細かい虫なんかは料理の過程で味に紛れるものであるし、それ自身なにがしかの蛋白質でもあるわけで、ひとの身体にわるかろうはずがない。…気にしない、気にしない。 |