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わが歌は鉄のうた
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■オリジナル・ソング歌詞集C ○おんがくエッセイ
『ライトニング・イン・ア・ボトル』

野郎はぜんめつ

よけいなことさ おれにいうなよ
耳からタコの足
痛い思いはだれでもおなじ
そっぽむいてても
好きもキライも おまえとならば
愛のゴリ押し HeyHey…

愛がないとか 金がないとか
朝から騒ぐなよ
いつものように踊っておくれよ
タコ足焼けたよ
泣くも笑うも おまえとならば
夢のふいうち HeyHey…

街は干からび 路にかげろう
虫の行列さ
時計のネジが汗をふきふき
転げていくぜ
いっそ狂うも おまえとならば
極楽どうぜん HeyHey…

苦手な上司がニヤリわらった
水虫うずいた
造花のビルが崩れちまうよ
でも女はあんぜん
野郎はぜんめつ 自業自得さ
情報と心中 HeyHey…

野郎はぜんめつ タテマエだいじで
本音は棺桶 HeyHey…

薮のなかからオヤジの演説
おれたちゃ世界一
若いやつらが砂にまみれて
死んでも最高
もうかりゃいいのさ 戦争最高
正義は勝つぞ HeyHey…

どかんときたぜ地震ヨコスカ
原子力空母
ネズミは引っ越し 猫は蒸発
おまえはどこにいる?
背骨を抜いた牛を喰っても
いくら喰っても HeyHey…

キツネのくせして首相が吠えたよ
ライオン頭で
ばかアホまぬけのハスキ−犬かい?
官房長官色男
なにを聞いてもアメリカ向いてて
御身だいじで HeyHey…

世界の宗教 この世のことわり
なんで信じてる?
しょせんマッチョのつくったもんさ
あんたのカードはブタさ
信じて貢いで ゴミを漁って
骨身を削って HeyHey…

(2006.3.3)
リフは2年もまえにできていたのですが、歌詞がでてきませんでした。ずっとデタラメな言葉で歌っていたのです。はたで聴いたら何語か判らないような、英語のようなスキャットのような、そんなもんで。このたびめでたく歌詞がつきました。スケールでっかく世界情勢も映していますが、国内はすぐ状況変りそう。それにしても世の男性(自分自身を含む)に対するわたしのゼツボー感が色濃くニジミでております。

牧野在のデザイナーJUNさんから年明け早々にでかいプレゼントをいただいた。
ふたつあって、ひとつはパソコン。もうひとつはビデオである。
そのビデオが泣かせるもので、夜中にみながら、かたわらで居眠りしているかみさんを揺り起こしたほどである。
タイトルは『ライトニング・イン・ア・ボトル』。NYラジオシティ・ミュージックホールで行われたブルース音楽へのオマージュを、ものすごいメンツのブルース音楽家たちが次々に繰り広げる、という内容である。ルーツであるアフリカの民謡から始まって、トリのB・Bキングまで、息もつかせない展開だ。オデッタルース・ブラウンが健在なのに驚いた。スティプルシンガーズの長女も衰えない歌声。ナタリー・コールはますます妖艶。男でよく生きてたな、というのはクラレンス・ゲイトマウス・ブラウン。余裕のプレイだ。名前を知らない新人たちも芸が達者で深い。ビッグ・ママ・ソートーンの「ハウンドドッグ」を唱った少女なんかその表現力に圧倒される。バディ・ガイは現役ばりばり冴えていて、マディの「アイ・キャンツ・ビ・サテスファイ」をさらっとやったのも、ジミ・ヘンナンバーをこってりやってたのも両方ともよかった。そして、そして、わしの大のお気に入り、ジョン.フォガティの変らないパフォーマンスがみられたのも収穫だった。CCR時代のビデオでも同じように唱っていたが、黒のギブソンレスポールをぼろろーんと鳴らして、「ミッドナイトスペシャル」で会場を総立ちにさせた。ほんとうに凄い!
ところで、このビデオが何のために存在するか、とういう質問がなされたら、それはブルース音楽に対する人々の変らない敬意と愛ということになるだろう。そして、誰のために存在するか、という質問がなされたら、その答えはひとつしかない。このビデオはソロモン・バーグのために存在する、ということになる。50人からの音楽家たちが集まっているのに、それはないだろう、と思われるかもしれないが、ソロモン・バーグの存在は圧倒的なのだ。中世風の椅子に巨漢を乗せて、神のような声で下世話な命題を訴え、吠える、叫ぶ、唸る、歌う、両手の説得的な動き、目からは稲妻、どう考えても人間離れしている。ある領域に達している。アメリカ音楽の至宝。そういうしかない。B・Bキングももう座って演奏するようになっていた。ザ・バンドのドラマーだったリボン・フェルムが縮んだような老いた顔になり、別人のように痩せ細っていたのがどこか痛ましかった。しかし、終始にこやかで、歌のうまいひとなのにサポートに徹していた。音楽家のありようを示していて感動的だった。
ブルース音楽のルーツを、ネイティヴアメリカンの女性ボーカルとアフリカン歌曲との融合だ、というのが若手のブルースマン、ケヴ・モーの説だが、かれはここではロバート・ジョンスンのナンバー『Love In Vain』を雰囲気豊かに歌っていた。ボニー・レイットはエルモア・ジェイムスのナンバーをすばらしい迫力で演奏。いつみてもこの女性はかっこいい。
最後になるが、ブルースマンたちのイラク戦争に対する反戦の思いも鋭く示されたコンサートになっていたことが印象的だった。

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