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わが歌は鉄のうた
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C
■オリジナル・ソング歌詞集

夢のなかで
おまえが泣いていた
道端に目覚めて
夜露に濡れている
もう戻れはしない

鳥が鳴くよ
おまえの歌のように
あけがたに凍えて
うずくまるおれ
もう帰れやしない

ほこりまみれの
心にひびく
別れのドアを閉じて
耳をふさいだよ
もうおまえの胸には戻れやしない

たちあがるのさ
おまえを忘れよう
たとえ忘れられても
許されるのか
もう帰れやしないのに

夢のなかで
おまえは微笑む
枯れない薔薇よ
たちつくす道
もう戻れやしない
もう戻れやしない

これはフェリーニの「道」そのものです。観ましたねえ、若い日。文芸座、早稲田松竹、ACTミニシアター等など…。名画座のハシゴしたっけ、独りで。

冷蔵庫ブルース

4、5日留守にして
もどってみたら
コンセントがぬけていて
床は水びたし
冷蔵庫のなかはカビだらけ

UH…いまいましい冷蔵庫
UH…いまいましいおんな
おれを腐らせるんだ

たまった洗濯物を
洗おうとしたが
モーターの音が切れて
それっきりさ
洗濯機までいかれちまった

UH…いまいましい洗濯機
UH…不実なおんな
おれを真から汚す

4、5日留守にして
もどってみたら
別の男の影がある
知らない香水
みたこともない晴れやかな横顔

UH…冷蔵庫みたいなおんな
UH…不実なおんな
だれか中古屋の電話番号を知ってるかい?
UH…みんな売っぱらっちまう!

だいたいオープンGに2カポのオープンAで歌うものが多いです。オーソドックスなブルースコードにのっけて。マイナーにチューニングして歌うことも多い。なんたってオープンコード覚えたらレギュラーなんてきつくてやってらんねえ、ってなもんです。でもクラッシックの横尾先生からはきびしく意見されました。マジに邪道だと思われている。わたしももっと手が大きく、指が長ければねえ、あと、あんな高いギターが買えれば、って、ないものねだりはつづく…のだった。

泣きくずれて

泣きくずれて
せなかふるわせる
おまえの愛らしさ
迷いつのる夜
いいだせなかった
あの日のサヨナラ

とまどいの朝
くぼんだ肩にみる
やせちまったおまえ
なにを祈るか
いいだせなかった
もう会えないとは

ラッシュアワーの
歩道橋に立って
消えちまいそうなおまえ
抱きしめもせずに
いいだせなかった
明日の旅立ち

泣きくずれて
せなかふるわせる
おまえの愛らしさ
ふりきれないおれ
いいだせなかった
あの日のサヨナラ

こういうシュチエーションはわたしの人生にはありませんでした。泣き崩れたのは実をいうとわたしの方でした、はい。

聞かせてくれ

聞かせてくれ
今夜はおごるよ
何杯だって
呑んでいいんだ
聞かせてくれ
もしおまえに良心ってものがあるのなら

聞かせてくれ
あの夜のことを
燃え上がる恋の炎
聞かせてくれ
もしおまえに言葉ってものが残ってるのなら

聞かせてくれ
その唇で
何杯だって
呑んでいいんだ
聞かせてくれ
もしおまえに感情ってものがあるのなら

聞かせてくれ
今夜はおれのおごりさ
何杯だって
呑んでいいんだ
聞かせてくれ
おまえにも裏切りの意味は判るはずさ

聞かせてくれ
ステキないいわけを
何杯だって
呑んでいいんだ
聞かせてくれ
ところで、おまえのために天国のドアを開けといたよ

こういうシュチエーションも幸か不幸かありませんでした。デタラメ女に制裁を加えるマッチョな男、ばか丸出しっていう歌です。

丘の上の病院

丘の上の病院
駐車場はいつも満車さ
おっさんが誘導棒をぐるぐるまわしてる
バックシートで子どもたちが騒ぐぜ
上の娘は風邪ひき
まんなかはおたふく
下の娘は口内炎で
おれは頭がかゆいんだ
院長、あの若くてきれいな先生だせよ
あのすんなりしてて匂いのいい指で
頭なでなでしてもらいたいんだ
院長、おまえなんかお呼びじゃないよ
おれは頭がかゆいんだ

丘の上の病院
月曜はいつも混んでる
受付のコンピュータは壊れたまんま
フロアじゃあ子どもたちがつかみあい
上の娘は風邪ひき
まんなかはおたふく
下の娘は口内炎で
おれは頭がかゆいんだ
院長、あのやさしくてかわいい先生だせよ
あのほっそりしてて真っ白な指で
頭なでなでしてもらいたいんだ
院長、隠したりして意地悪すんなよ
おれは頭がかゆいんだ

丘の上の病院
空いてる席がない
知らない婆さんがくどくど話しかけてくる
そばでは子どもたちがあかんべえ
上の娘は風邪ひき
まんなかはおたふく
下の娘は口内炎で
おれは頭がかゆいんだ
院長、年寄りもおちおち病院にこれねえっていうぜ
こうみてみると年寄りの数が減ってる
だれか年寄りくらい安心して病院にこれるようにしろよ
院長、おまえちゃんとやれよ、ちゃんと
おれは頭がかゆいんだ

丘の上の病院
治療費が安くてあんしん
受付の女の子たちはシュープリームスみてえに歌う
玄関先で子どもたちが踊ってる
上の娘は風邪ひき
まんなかはおたふく
下の娘は口内炎で
おれは頭がかゆいんだ
院長、あの眼鏡の似合うキュートな先生だせよ
あのミニー・リパートンみてえな声で
「すこし、お疲れになってますね」って言われてえんだ
院長、まさか手なんかだしてねえよな?
おれは頭がかゆいんだ

丘の上の病院
丘の上の総合病院
ふるぼけてはいるけどありがたい病院
院長、おまえひょっとするといいやつかもな
丘の上の病院
丘の上の総合病院
遠くで救急車のサイレンがなっている

地元のひとならすぐ判る上野原町立病院がテーマです。実際に皮膚科に若い女医さんが来ていたことがあったのですが、もちろん頭なんかなでなでしてくれませんでした。軟膏だして自分でつけろって…あのね、もうちょっと血の通った医療行為せんかい、って、ダメか…。そういや院長の顔なんかみたことないぞ。

どこが「わが歌は鉄のうた」だ、っていうひと。あんたはこころがせまい。次回以降にはたくましい人生の歌があまた収録されるだろう。まっったくそうなるといいが…
本場のブルースの歌詞は深い。まっこと深遠である。とてもじゃないが猿真似ではあんな境地にはたどりつけるもんじゃない。それは重々承知しておるのです。ロバート・ジョンソンという早世した天才がいたんですが、このひとの作品は2枚組のCDに納められているので、よく聴きます。もちろん、あちゃらの歌詞なんですけど、これが胸苦しいんだ、聴くたびに。Hな歌もうたうんですけどね。これも真似できんわい。

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