■さらに山梨県側に入り込む。標高1250m地点で、車を降りた。一帯はカラマツにミズナラやブナなどが混じった林になっている。ここでは多種類のキノコを収穫できた。目玉はなんといってもクリフウセンタケ(ニセアブラシメジ)である。高級料亭に持っていけば高値で買い取ってくれるらしい。それほどに味がよい。これがフェアリィリングを描いていて、見つけたシゲちゃんともども思わず小躍りしたくなった。茎をフリッターに揚げて、傘は銀あんかけに料理してみたが、たちまちみんなが平らげてしまったものだ。それと、ムラサキアブラシメジは小型菌であるが、酢の物に合い、上品な味がたのしめる。
今年は夏が異常に暑く、キノコ菌はだいじょうぶだろうか、と心配したのだが、杞憂であったようだ。
▲クサウラベニタケ。成菌だから見誤らないが、これが幼菌なら…? |
■夕方、料理のうまいシゲちゃんと、そこそこやるわたしとで手分けしてキノコ料理にかかり、パーティになった。子どもたちを中心にすごい盛り上がりである。Aくんは自分の彼女を国分寺から呼び寄せるほど。天然キノコの味はそれほどにひとをたのしませるものである。クリフウセンタケの茎はほとんどイカのフライに匹敵するくらいの濃い味を持っているし、写真では紹介できなかったが、チチタケのスープはほかのどんな素材のスープにも負けない味の切れを示す。 |
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▲クリフウセンタケ。里山のものとちがって菌がおおきい。 |
▲ムラサキアブラシメジ。この色彩にこころひかれる。手のひらいっぱいほどの収穫。 |
■このときは、ほかにフキサクラシメジ、チチタケ、ヒイロガサ、カワムラフウセンタケ、ツルタケなどを採集。量の少ないものはまとめて煮てスープをとった。塩と胡椒だけで味つけする。そのまま飲んでもいいし、各種の料理に応用できる。 |
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