■先日、名倉のシゲちゃんの招待で1夕、かれの家のベランダパーティで過ごした。
そのとき、タマゴタケでこさえたソースが供され、パンに塗って食べる趣向だったが、素材のよさを充分に引き出してあって、すっかり舌を楽しませてもらった。
タマゴタケは今シーズン2度目の発生で、この日の材料は牧野のデザイナー、JUNさんからもらったという話である。たしかにJUNさんの家の庭は緑が濃い。しかも、あのあたりはキノコ山として土地の人たちに知られている。この夏の猛暑にも関わらず、菌は生きていたらしい。
パーティ参加者のなかで、この秋のキノコの発生状況を危惧する声があった。昨年はこのあたり、発生が少なかったので、ずいぶんがっかりしたものだ。秋に順調に気温が下がってくれて、ざんぶり雨がふってくれたら… |
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■今年のわたしのキノコ採集ノートは、春のアラゲキクラゲとマツオウジを除けば、空白のままである。
雨がなく、猛暑の影響なのか、昨年はたくさん発生したキヌガサタケにもとうとうお目にかかれなかった。
6月からは津久井4町(藤野・相模湖・城山・津久井)と相模原市との合併問題に関する町民運動に関わって忙しくなり、キノコどころではなくなっている。それどころか畑もほったらかしたままだ。
ここへきて、いくぶん暑さもおさまり、朝夕吹く風に秋のかすかな気配も感じられるようになった。
こういうとき、仕事の手を休めて、頭のなかを整理しながら山道をたどるのは気分のいいものである。
なんとか高い山にいきたいと思う。それも車でいけるところではなく、あくまで自分の足で登れるところに。
と、ここまで考えてきて、はたと気がつくことだが、最後に1500m以上の山を登ったのはすでに10年も前だということである。あれからずっと里山をうろうろしてはいても、自分の足でハイランドに身を運んではいない。水平方向の移動だけではなく、垂直方向の移動も、もっぱら車だったということになる。振り返れば子育てと併せて郷土玩具の製作販売などという未知の仕事に乗り出したことが影響している。まとまった時間がとれなかったのだ。 |