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フィールドノート(27)
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 2009.2.17
  

 ■早春の野から■
樹齢50年はたっていそうな老梅が咲き盛っている。樹高が7〜8mもありそうなので実はならない。あまり木が大きくなり過ぎると、花は咲いても結実しないらしい。一帯の土地は八王子実践高校のO先生の地所なのだが、梅のほかにもプルーンがあり、あんずがあり、りんごまであるのに、いずれも木はおおきく育っていて、この季節花盛りとなる。そのかわり、どれも実はならない。最初は理屈が判らず、このへんは猛禽類が多いので蜂が受粉に飛び回れないのが原因ではないかと思ったりした。
紅梅は大家さんちの庭のもの。

今年いちばんのフキノトウは2月の第1週に収穫。写真はそのときのもの。その後、第2週には写真の倍の量を収穫した。野蕗のフキノトウだから市販されるものより小粒だが、香りが峻烈だ。さっと熱湯に通し、水にさらし、蕗味噌に仕立てる。我が家族は苦味のある食品をそろって好み、蕗味噌となると子供たちも大好きだ。おかげで酒のさかなにしようにも残るということがない。



かみさんが植えていたクロッカスが日溜まりにあかるく輝いている。春告げの花のなかでも際立ってかわいい。ラッパ水仙も力強く立ち上がってきた。自然の生命力の発露が目にみえてくるときだ。
これまたかみさんが植えてたいせつにしているクリスマスローズだが、ようやっと花開こうとしている。この渋い花色に最初はとまどったものだが、何シーズンか迎えてみると、それなりに愛着がでてくるからふしぎだ。それにしても日本の風土によく適応したものだと思う。

■左の2枚の写真は今朝撮影したアサツキ。ぐんぐん伸びてくる感じでうれしい。以前にも書いたけれど、野生種ではなくて栽培していたものが残って、自然に増えているのだと思われる。もう少し伸びたところで堀りあげて、さっと洗って生味噌をつけてかじると、さわやかでうまい。広く土地に分布しているので、当分のあいだはネギを買う必要がなくなる。ここらは薬味天国だが、その1番バッターというところだ。
下の写真はノビル。まだひょろひょろしている。先日、スーパーで背黒イワシを安く売っていたので、思い切って2パック買い求め、骨ごとたたいてツミレにした。そのとき、このノビルを鱗茎も葉柄もともに細かく刻んでショウガのしぼり汁とともにツミレに混ぜ込み、ツミレ汁としたのだが、じつに相性がよく、色も香りも料理を引き立ててくれるのだった。
春の訪れは花という目の保養もあるが、こういう実利と結びつくところもあってより楽しめる。そして、もうすぐ畑の荒起こしの時期がくる。(2009.2.17)

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