
▲大家さんちの前。青田地区はたった8戸の集落だが、隠れ里のようにうつくしい。 |
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▲桜の下をくぐって歩き出す。この日は4月の第2週。あたたかく、春の光がさんさんとふりそそぐ日だった。 |
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■今回はあんまり芸のないタイトルですが、ごいっしょに画面上を散歩ということで。
我が家を出ますと、足元にスミレがたくさん咲いています。毎年会っていて、どこにも在り、なんの変哲もないものなのに、わざわざしゃがんでみないではいられないような、そんな魅力に満ちています。生き生きとしていて、輝いている、野性のきらめきが伝わってくるからでしょう。栽培された花とは決定的にちがう、たくましさ。それがみるものの精神の根っこのところに働きかけてくる。幼い日にみた野路のスミレは記憶の底に眠るけれど、それが目の前の花と深く呼応する。時間や空間を越えて響いてくるものがある。ひとの生きている実感のようなもの、を呼び覚ます力がこんな野辺の花にあるんですね。 |
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▲タチツボスミレの群落。野辺地を彩る春のさきがけ。元気がいいねえ。
左はヒメウズ。キンポウゲ科。ちっちゃいけれど独特のよさがある。わたしは好きだ。地味でめだたないが、しっかりもの、という感じがいい。 |
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■林床にシュンランが渋いその姿をみせている。注意するとあちこちにあるのが判る。持ち去られることが多くて、高尾山などではよほど少なくなったと聞く。山野草を愛する基本はやはり野にある姿をたのしむことだと思うが、どうしても自分の周囲に置きたい、と願う向きもあるようです。…といっても根こそぎではね。
この時季、アオキの実が鮮やかに色づいて薄暗い林をぱっと明るくしています。こんなに目立つわけだからとうぜん補食者がいるわけでしょうが、残念ながらそれが何か、目撃していません。先日、カラスがこのあたりをうろついていましたが、まさかあのカラスってことはないでしょうねえ、でも、あいつらは何でも喰うからなあ、そういえば、人間さまにとってどうなのか、まだ実験していません。今度、ちょっとかじってみるかな… |

▲宝山への道筋にて丹沢方向をながめる。この写真は3月の末。まだ山に雪。 |
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■宝山へはぼちぼち登って25分くらい。家を出て、30分足らずで海抜374メートル地点に立てる。木立が視界をさえぎるので、見通しはさほどよくない。それでも陣馬山方向をみれば榧の巨木の間をぬって自然とひとの営みが合体した風景が広がる。中央高速の高架がみえ、甲州街道(20号線)にかかる吉野橋も赤い高架橋をのぞかせる。下方に相模湖の青い水面。
ひとの営みを拒否するかのような高山のきりりとしたたたずまいにも惹かれはするが、生活の匂いのする、人間のごちゃごちゃ感があるこんな風景がわたしは好きである。 |
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▲今年は薮椿がとてもきれいだ。花数が多く、花色もいい。例年、ほとんど花をつけず、ただのうっそうとした緑だったところが、今年はまあ気品のある花の満開である。メジロはおおよろこび。 |
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■風に踊るヤマブキの花。野生種で大輪。一重咲きなのがかえって清楚ですね。生け花に使うと部屋が明るくなります。トイレにおいてもいい。場が華やぐし、清潔感があって特に良い感じ。 |
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■ヒトヨタケ科の仲間だと思われるキノコ。同定はできませんでした。ムジナタケやイタチタケの系統だから無毒では?基物は伐採した桑の木の下の土。食べられそうだとは思うものの今回はアタックしないことにしました。おそらくアルコールに拒否反応を示すと考えられるからです。今年の春はキノコがけっこう発生していますが、タイミングよく被写体に納ってくれません。このキノコはどんぴしゃのタイミングで撮影できました。 |
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■家のまわりに野蕗が顔をだしてきました。小型で、茎も細く、栽培種と比べると姿形は劣りますが、味はどっこい負けていません。綿毛をまとったものを片端から抜いてきて、たっぷりの湯で茹でます。この時季ですとアクはまだ少ないので、しばし水にさらすだけ。茎が細いので皮もむきません。そのあと、食べやすい長さに切って昆布やカツオブシの出し汁で煮る。みりんを使わず砂糖と醤油で味を整えればできあがり。香りのよさ、苦味の壮快さ、いうところなし。というわけで、春の散歩にも実用あり、といったところでしょうか。 |
■近所にハルシメジ(シメジモドキ)のフェアリィ・リングができていました。あまり傘径がおおきくなく、茎の細長いタイプです。豊後梅の木の下でした。今朝、かみさんをさそって撮影、採集に。曇天に八重桜の桜吹雪きが舞う、風のやや冷たい日でした。 |
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■大量の収穫に、早起きさせられたかみさんもごきげんです。積極的に彩集して、「うまそうだなあ」といいますから、彼女は普通のひとが天然キノコに示す怯えた感覚は越えています。
ハルシメジといっしょに採集したのはアミガサタケです。トガリアミガサタケのようでもあり、アシボソアミガサタケのようでもあり、この種類はなかなか同定が困難です。昨年は同じ場所でアシブトアミガサタケを採集していますから、附近いったいの自然条件はこれらのキノコの発生に好都合なのでしょう。なお、藤野では一般的なアミガサタケのほかにマルアミガサタケとオオアミガサタケが発生することを確認しています。
ハルシメジもアミガサタケもよいだしがでることで知られています。料理はこの特徴をいかしたものとなるでしょう。 |
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