■毎年おなじところに発生する律儀なキノコがある。例年おなじような時期に山にはいると決まって顔をあわせる。ところがこれが正体不明ときている。食欲をそそる菌体ではないので、あまり気にもかけないし、あえて名前を調べようという意欲も湧かない。なにしろ相手は5000種ともいわれる大所帯だ。1000種を網羅する図鑑でもどうにもならない。たぶんフウセンタケの仲間だろう、とか、いや、アセタケの仲間か、などしばし頭を悩ます。素人キノコ探偵のヘボ推理。 |
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■キノコや山野草の観察には同じ場所に季節を変えて何回も通うことが求められる。だから同じキノコや草花に何度もめぐりあうことにもなるわけだが、これが安心感とともにマンネリもさそう。ふりかえって考えてみても、この町の山という山を巡ったわけではない。他県ともなればまるで未知、神奈川、山梨、佐賀、沖縄の4県はまずまずとして、他はまるで判らない。そんななかで、自己の自由時間を裂くようにしてフィールドに出かけている。一生かかっても全国行きそびれる路ばかり、というのが現実だ。 |