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 2006.11.6

 ■7種のサムライ■


収穫7種類。10月某日、小1時間ほど裏山を歩いたときのもの。
手前の個体がカワリハツ甘い香りがして、菌体が充実している。たったひとつしか採集できなかったが、今回、きっちりと試してみたその出し汁のよさは感動もので、いままでちゃんと向き合ってこなかったことを反省させられた。
ムラサキシメジの仲間。色がきれい。

山道で崖側の砂礫がたまるようなところに生えている。コムラサキシメジとムラサキシメジの中間種といったところ。この仲間は日本に5〜6種類ほど確認されているという。味がよく、たのしめる。
フウセンタケの仲間。いろんな種類がある。

加熱すると臭みがあり、ゆでこぼしてから料理する。歯触りがいいので、濃い味付けにして煮込む。
ルリハツタケ。完全形は珍しい。発生と同時に虫に喰われてしまうから。

毎シーズンこのキノコを食卓にあげているという愛好家は、はたして日本に何人いるだろうか。かくいうわたしも今回で2度目。昨年、お初にお目にかかった。
ウズハツ。わりにコンスタントに採集できる。

煮込むとおいしい。スープには味がでる。紫色の乳液がでて、見分けやすいし、辛いという評価もあるけれども、煮込めば気にならない。

サクラシメジ。今年は少ない。

毎年お目にかかっているのに、今年のように外れの年はその姿のいとおしさがいちだんと増す。
ウラベニホテイシメジ。これも今年は少ない。

たくさん採集して冷凍保存するのが我が家のならわしなのだが、今年は無理だった。

ブナハリタケ。何年ぶりの再会だろうか。

某日、写真家の三宅岳氏が奥秩父で採集したというブナハリタケを土産に持ってきてくれた。雑誌の仕事でモデルさんと編集者をともなっての撮影行だったからなにかとたいへんだったらしい。それでも渓流沿いの倒木にびっしり生えたブナハリタケは苦労を払拭させてくれるものだったとか。さもあろうと思う。この甘い香りはマツタケを思わせる。早速、その夕べは炊き込みごはんとしたが、存分に香りを楽しむことができたものだ。

ヤマカガシとヒキガエル 篠原にて。3女がまずかさかさという音に気付いた。

『ぐるっとおさんぽ篠原展』の帰り。蛇に捉えられた蛙を家族でみる。蛙はほとんど抵抗しない。ぴくぴくと手足をけいれんさせるだけだ。ヤマカガシの毒液が廻っているのだろうか。ヒキガエル自体も背中に毒腺を持っているはずだが…?


11月にはいってすぐ、裏山周辺をさぐってみた。アカモミタケがたくさん収穫できた。勢いをかって尾根すじを歩くと、モミと榧の巨木の間にクリーム色の整った傘がみえる。手に採ってみると艶やかな手ごたえがあり、芳香があった。キハツダケだった。乳液が青緑色に変る。やった、と思って収穫したアカモミタケともども我孫子に住む弟夫妻のところに土産とする。じつはジャパン・バード・フェスティバルに出店する目的で、弟夫婦のところに家族そろってでかける予定だったのだ。むこうに着いてから、キノコをおでんの鍋に入れてみたが、キハツダケには苦辛味があって食べづらいことが判明。だしは出るようだが菌体が苦辛味を含むことはあらゆる図鑑の記述と異なっている。それが地域的なものなのか、そもそも採集したキノコそのものが純粋なキハツダケではなく近縁種なのか、宿題が増えたようだ。

ところで、しばらくは忙しくなる。この稿に立ち戻れる日は年明けとなりそう。
            
           (2006.11.6)
             

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