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第5号

 虫めがね
本を読むのにいちばんいい季節になって、さてみなさん読んでいますか?あいかわらずテレビづけで、なーんにも考えなくても向こうからどんどん情報のはいってくる便利さに負けていませんか?『ばあ!』の読者にかぎってそういうことはないかな。本をきちんと読むことは毎日のくらしのなかに生きてきます。たとえテレビからくるものだって、まず自分のあたまで整理しなきゃいけませんからね。そんなとき一方通行にならない整理術が読書の力できたえられるというわけ。そしてだいじな想像力。戦争のニュースにも想像力を。(K)

今月のおすすめ本 ※おすすめ(1)は低学年、(2)は中学年、(3)は高学年が対象です。
おすすめ(1)
「キツネのまいもん屋」
富安陽子 作
篠崎三朗 絵
新日本出版社
 まいもん屋ってなに屋だかしっていますか? 答えは駄菓子屋です。甘いもん屋か、 うまいもん屋がなまったのではと作者はいっています。駄菓子屋にはいろんなお菓子があったり、くじがあったり、いまでも楽しくてドキドキして大好きです。
 ひさしが、まあるいおせんべいをかじりながら雪道をあるいていると、いっぴきのキツネの子に出会います。つれていかれたのは、まいもん屋。そこでひさしはたった一枚しか当たりのはいっていないくじをひいて、お月さんをもらいます。でも、ちょっとまってください。今晩からお月さんは空にでるのでしょうか?
 このおはなしは、なんだか藤野にありそうなんだなぁ。もしかしたらキミもキツネの子にあって、まいもん屋にいけるかも・・・。
                           (志村 裕子)
おすすめ(2)
「水曜日はスーパースター」
木村裕一 / 礒みゆき 作
礒みゆき 絵
岩崎書店
 のんたに、懸賞の賞品、サッカー観戦のチケットがとどいた。でも、そのチケットはどこかへんなかんじ。
 小学校のサッカークラブチームの試合をぬけだして、サッカースタジアムにいったのんたは、ろうかでスーパースターのジュンと出会ったときに、ジュンといれかわってしまう。そして、プロのサッカーチームの試合にでることになってしまう。サッカークラブでは補欠ののんたなのだが・・・・
                           (南 あけみ)
おすすめ(3)
「闇の守り人」
上橋菜穂子 作
二木真希子 絵
偕成社
 幼いときに親からひきはなされ、故郷をすて養父ジグロと旅にでたバルサ。本書は大人になり女用心棒となったバルサを主人公とした「守り人」シリーズ三部作の第二作目です。故郷カンバル国に養父の汚名をはらすためにもどってきたバルサですが、はからずも王国の陰謀にまきこまれ、国を救うため力を尽くすことになります。三部作をとおして流れているのは「なぜ、自分だけが・・」と不幸を呪いながらも懸命に生きていく人々の魂の物語です。清々しいほどに強いバルサの戦いの場面は迫真にせまり、その潔さにスカッとします。魅力的な登場人物が次々とあらわれて、人と精霊が渾然一体となって生きているファンタジーの世界にぐんぐんひきこまれていきます。
第一作「精霊の守り人」、第三作「夢の守り人」、どれから読んでも楽しめます。
他に外伝(バルサ以外の人が主人公)の「虚空の旅人」があります。
                            (大塚麻奈)