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親と子でよむ
第3号

 虫めがね
 『ばあ!』3号は夏休み特集号です。ふだんなかなかよめない本。この休みに計画をたてて本をたくさんよむというのはいかがでしょう?
 山のキャンプ場で、海辺にねころがって、セミのこえをききながら本をよむ。つめたい流れに足をひやしながら、なんてのもいいですね。
 これまで、どんなに計画しても、休みのあいだはあそんでばかり。休みがおわるころには宿題におっかけられて本なんかよめなかった、というきみ、そしてあなた。今年の夏はちがいますって。なんといってもみんなには『ばあ!』がついているんだよ。     (K)

今月のおすすめ本 ※おすすめ(1)は低学年、(2)は中学年、(3)は高学年が対象です。
おすすめ(1)
えほん「とべないほたる」
小沢昭巳 作
吉田むねふみ画
ハ|ト出版
星がきれいにうつっているちいさな川のほとりで、ぼくたちはうまれた。やわらかいはねをひろげて、いっせいにとびたった。
ちょっとまって、下をみてごらん。ちいさな光がひとつだけぽつんとひかっているよ。ぼくたちは田んぼのなかにおりてみた。そこには、はねのちぢれたいっぴきのほたるがいた。どんなにがんばっても、どうしてもはねはひろがらない。とべなかったらどうなってしまうの?どうしたらいいのだろう……。ねえ、きみたちもいっしょにかんがえてくれない?
きみたちのすむ町にも、ぼくのなかまがいることをしってる?こんどあいにきてね。
                            (南あけみ)
おすすめ(2)
「まほうのスープ」
ミヒャエル・エンデ 文
ささきたづこ 訳
ティーノ 絵
岩波書店
 ある高い山の右と左に、ふたつの王国がありました。そして、ちょうどおなじころに、こどもが生まれて洗礼の式がひらかれました。ところが、どちらの国からも呼ばれなかった魔女がいたのです。おこった魔女は、ふたつの国にプレゼントをしたのですが、これがまほうのスープがあふれてくるというスプーンとスープ鉢だったのです。でも送られたのはかたほうずつだったので、スープをのむことはできませんでした。それからがややこしいことばかり・・・・。だれかスプーンとスープ鉢をいっしょにして、スープをのむことはできるのでしょうか?そうなったら、どんな味なのでしょうか。
                            (志村裕子)
おすすめ(3)
「カモメに飛ぶことを教えた猫」
ルイス・セプルベダ 作  
河野万里子 訳
白水社
 主人公ゾルバはおおきくふとった、どことなくふしぎな包容力とハードボイルド風のかっこよさをもった猫。
 ある日、死にそうなカモメに卵をたくされるのですが、カモメとの3つの「ちかい」は、卵を食べないで、卵のめんどうを見て、そしてそのひながおおきくなったら飛ぶことをおしえてやってというものでした。とまどいながらも、猫の中の猫ゾルバはユニークななかまとともに3つの約束をはたそうと奮闘しはじめます。ついにはばたいたカモメのすがたに涙をあふれさせるゾルバ・・・・。きみのこころにのこっていくものがなにかあるはずです。
おかあさんといっしょに読んでみてください。      
                           (諸角セツコ)