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先生のおもいでの一冊(1)門倉睦男(校長先生) |
「ガラスのうさぎ」高木敏子 作 武部本一郎 絵 金の星社 |
私は以前から、先生方推せんの、小渕小の子どもに読ませたい本50選をつくろう、そしてその本を図書室に30冊ぐらいづつそろえようと言ってきました。今回お母さん方の発案で少なくとも10冊の小渕小の子どもに読ませたい推せん図書ができることを喜び、期待しています。 この本は初版が一九七七年ですから、今回の目的である子ども時代の先生方の読書体験とはなりませんが、この本を紹介する理由はいくつかあります。 ○ 私は昭和16年生まれです。父も兵隊へ行きました。 ○ 私が就職したころは、先輩の先生方から空しゅうの話も聞くことができました。今はそのような先生もおりません。 ○ 平成10年5月28日、ゲートボール大会で五、六年生と二宮へ行きました。駅前のガラスのうさぎの説明を、声を出して読みました。 今回この文を書くのに、もう一度読みました。この作品を読むと、食糧難の時代に私を育ててくれた母のことを思い出します。 |
おとなへのおすすめ本 | ||
「幸せな子ども」 松井るり子・著 学陽書房 |
創刊号のこのコラムで紹介される本は、さらっと読めて、スーっとする珠玉の短編集か、仮想の世界にワープして、ワクワクドキドキ冒険あり恋ありの長編小説なんかいいなぁと勝手にイメージしていました。ところが悲しいことに、日常生活にながされている今の私はそういう読書とは縁遠いことに気がつきました。今の私が本を手に取る時は、なにかの救いを求めている時が多いです。 この本は、心身ともに疲れきって子育てに夢をもてなくなった時や、ささいな事で子どもにあたりちらして、「わたしってこんなに性格悪かったっけ・・・」と落ち込む時、手にとってぱらぱらとページをめくっているとなんだかホッとしてそのうちニヤニヤして「そうだよねー」と再び子どもと暮らしていく勇気が出る本です。 今流行りのハウツー本ともいえますが、等身大の母親の声で着飾らずに自分の考えを書いていて、押し付けがましくないところが気に入っています。子育て真っ最中の方にはビタミン剤としてお勧めしたいです。同じ著者の絵本紹介の本が三冊出版されていますが〈ぶっくらぶいん〉としては、こちらは超お勧めです。 自分の体験を語るなかでの紹介なので、思わず共感して「私も読んでみたい」という気にさせてくれます。子どもの本なのに大人も読みたくなる本がたくさん紹介されています。 『絵本いろいろお話いろいろ』『ごたごた絵本箱』(共に学陽書房)『うれしい気持ちの育て方』(ほるぷ出版) (大塚麻奈) |