ホームヘルパーの専門性の確立と家事援助業務の

見直しを求めるアピール文

 今、介護保険によってホームヘルパーの家事援助の大切さが失われようとしています。

 私たちホームヘルパーは、家事や身辺介護を通して利用者の生きる意欲に働きかけ、その人らしい生活の維持と人間性の回復をめざして働いています。

 なかでも家事援助は、日常生活全般に対する関わりの広さと関連性を特徴としており、利用者の生活問題や文化・価値観といったものと向き合いながら、常に意識的で創意あふれる専門的な働きかけのあり方が問われる援助です。

 しかし、介護保険制度のもとで、ホームヘルパーの援助は、いわゆる「駆け足介護」「細切れ介護」「切り捨て介護」が進みました。そのため、ホームヘルパーが利用者と向き合い、「利用者のできること」や「その人らしさ」を大切にしながら生活を支援していくことが難しくなりました。とりわけ、1時間当たり1530円という極端に低い介護保険報酬単価に見られる家事援助への評価は、問題です。

 今、私たちホームヘルパーは、24時間365日、仕事を時間で細切れにされながらクタクタになるまで働いています。しかし、生活費や身分の保障はほとんどありません。しかも、健康破壊はいちじるしく、多くのヘルパーが体調を崩し、それを仲間が支えあい、かばいあって今日まで来ています。

 全国のホームヘルパーが同じ状況に置かれ、全国のホームヘルパーが同じ状況の中で悩んでいるのです。このままでいくと、ホームヘルパーがこれまでおこなってきた仕事の真価が失われ、利用者の生活支援ができなくなってしまいます。

 私たちホームヘルパーは、こうした問題を、ただ見過ごすわけにはいかないと思っています。そして、これら私たちの問題を解決できるのは、私たち自身以外にはありません。

 みなさん。まず私たち自身が集い、交流し合いましょう。

 ひとりぼっちのホームヘルパーをなくしていきましょう。

 みんなでホームヘルプ労働についての研究や研修を進め、学びあい、専門性を確立していきましょう。

 ホームヘルパーの働く環境を改善し、地位を向上させていきましょう。

 家事援助の低い評価を改善するために、家事援助の必要性と専門性を知らせ訴えていきましょう。

 みなさん。今、この場から、手をつなぎ、声を上げ、歩みを始めていきましょう。


                  2001年2月18日

                        第1回 全国ホームヘルパー交流集会

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